住友生命とNTTドコモビジネス健康増進プログラム「Vitalityスマート」における対話型生成AIの効果検証を実施

対話内容・会話の流れ制御の精度

対話内容・会話の流れ制御の精度【写真詳細】

AIアバター

住友生命保険相互会社(取締役 代表執行役社長 高田 幸徳、以下「住友生命」)と、NTTドコモビジネス株式会社(代表取締役社長 小島 克重、旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下「NTTドコモビジネス」)は、Webサイト上にて大規模言語モデル(GPT-4o)とAIアバターを組み合わせ、個人の趣向・ニーズに応じた働きかけ(パーソナライズドメッセージ)によって運動や健康への関心度が向上するかどうか、住友生命の健康増進プログラム「Vitalityスマート※1」への関心度が向上するかどうかなどを確認する共同実証実験(以下「本実証実験」)を実施しました。
本実証実験では、サービスの提案に好感触だった人が87%を占め、さらに試用者のうち40%がVitalityスマートの魅力度の向上を実感しました。また、AIアバターを活用し、Vitalityスマートの魅力をお伝えすることができる可能性があること、ユーザーの運動や健康に関する個別のニーズに合わせた自然な提案を行うことができる可能性があることを確認しました。
今後、両社は、実用化や利用シーン拡大の検討を進め、エージェント型AIの活用による新たな顧客接点のあり方を模索していきます。
※1 詳細は、https://vitality.sumitomolife.co.jp/special/vitality_smart_direct/をご参照ください。


1.背景と目的
健康増進型保険“住友生命「Vitality」”は2018年7月の発売以降多くのお客さまにご支持いただいており、2023年4月には「Vitalityスマート」、2024年6月より「Vitality福利厚生タイプ」の販売を開始しました。現在では150万人超のお客さまにご利用いただいており、お客さま接点がますます拡大しています。Vitalityがもつ健康活動状態の把握や運動習慣づくりといった価値をさらに提供することで、住友生命は、「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない』」生命保険会社をめざしています。
その実現に向けては、ユーザーの興味や健康状態・ライフスタイルなどといった個々人の異なる状況に応じた、きめ細かな働きかけが重要と考えています。
住友生命とNTTドコモビジネスは、Webサイト上に配置したAIアバターを通じて各ユーザーの運動への関心度を的確に把握し、関心度に応じた運動の呼びかけや、最適なタイミングでVitalityスマートの案内を行うことで、運動への関心を高め、Vitalityスマートを魅力的に感じていただける可能性があるかを検証しました。

2.本実証実験の概要および評価
a. 実施期間
2024年10月~2025年1月
その後、実用化に向けて、実証内容の評価を実施。

b.実証内容
本実証実験では、実際にお客さまと対話することを想定したAIアバターの実証モデルを構築し、利用者と対話させることにより、生成AI技術活用の効果を検証しました。具体的には、下記の3点を確認しました。

(1) 対話内容・会話の流れ制御の精度
AIアバターとの対話の中で、ユーザーの運動に対する関心度を5段階で判定しました。関心度ごとに異なるシナリオを適用することで、雑談や質問への回答を交えながら今より運動を習慣づけるよう誘導するとともに、最適なタイミングでVitalityスマートの利用を提案するモデルを構築しました。本実証実験において、このモデルは運動に対する関心度の判定、関心度に応じた運動の勧奨、質問への回答など、対話制御の精度についてはおおよそ問題なく、サービスの提案に好感触だった人が87%(図1、2)を占めました。さらに試用した人のうち40%(図3)がVitalityスマートの魅力度が向上したと感じたことなどから、Vitalityスマートの魅力をよりお伝えすることができる可能性があることを確認しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/443137/img_443137_1.png


(2) AIアバターの有用性
実証モデルには、De-Identification Ltd.社※2(以下「D-ID」)による最先端のAIアバターを活用し、アニメからリアルな人物まで、複数パターンを実装して比較しました。各AIアバターにおいて、対話における好感度、応答速度、対話意欲向上への効果などを評価しました。
本実証実験において、AIアバター(図4)が外観、動きの自然さなどにおいて好感度が高く、ユーザーの対話継続意欲向上に寄与すると評価されました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/443137/img_443137_2.png

(3) 安心・安全な対話の実現(生成AI向けガードレール技術※3の検証)
NTTドコモビジネスが開発した生成AI向けガードレール技術「chakoshi※4」を用い、日本語の悪意あるテキストの入出力や、不適切な内容に対するフィルター性能を評価しました。「chakoshi」は、類似サービスとの比較において検出率が50%近く上回る高い能力を発揮し、プロンプト※5と組み合わせることで、安心・安全な対話が実現できる可能性があることが確認されました。

※2 D-IDは、人物の画像やビデオからリアルなアバターを生成する最先端のAIサービスを提供しています。
※3 ガードレール技術とは、AIに対する想定外の入力や、AI自体が不適切や有害な出力を生み出さないようにするための技術のことです。
※4 NTTドコモビジネスが提供する生成AI向けガードレールサービスであり、悪意のある問いかけや不適切な内容の検知・ブロック機能を備えています。
※5 プロンプトは、生成AIへ「何をしてほしいか」を伝える指示や質問のことです。

c.評価と結論
以上の評価結果から、最先端の生成AI技術を活用することで、一人ひとりの興味や関心に寄り添ったAIアバターとの対話が可能となること、および、Vitalityスマートの魅力をよりお伝えできる可能性があることが認められ、想定される利用シーン内での実用化検討が可能であるとの結論に至りました。

3.今後の展開
本実証実験の結果を踏まえ、住友生命とNTTドコモビジネスは、今年度中を目途に実用化の検討を進めていきます。また、今回対象としたVitalityスマート以外の利用においても、適用可能性を検討し、生成AI技術を用いたバーチャルコンシェルジュ※6が自律的に後方業務(対話後の処理)を行うAIエージェント※7へと発展させ、後方業務処理におけるパーソナライズされたサポートや効率化も視野に入れています。
住友生命は、健康増進のさらなる推進をめざしてVitalityスマートの普及を継続的に強化し、お客さまの健康意識向上を支援します。また、NTTドコモビジネスは多様な分野でのAI活用を支援し、お客さまの事業価値向上に貢献していきます。

※6 対話型生成AIとAIアバターを組み合わせ、保険や資産運用の相談、コールセンターでの複雑な手続きなど高度な顧客接点業務を行うシステムです。
※7 AI技術やデバイスなどを組み合わせ、特定の分野に特化して、従来のAIではできなかった非定型業務や複雑なタスクを自律的に実行する高度なシステムです。

プレスリリース情報提供元:@Press

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