KDDI研究所は23日、複数の端末に大きなデータを一斉に送ることで、LTEに比べて周波数利用効率を約3倍に向上させるAdvanced MIMO技術を開発したと発表した。

　データ通信量が増加する傾向が強いスマートフォンの普及に伴い、携帯端末のトラフィックが急増する中、周波数の有効利用が喫緊の課題となっている。これまで対策のひとつとして活用されていたMIMO（Multiple-Input Multiple-Output）技術は、基地局と端末側の双方で複数のアンテナを組み合わせて通信速度を向上させる技術で、組み合わせるアンテナ数が増えるほど干渉が起きやすくなる。

　今回KDDI研究所は、干渉を減らし、さらに周波数利用効率を上げることが可能なAdvanced MIMO技術を開発した。同技術を使うと、周波数利用効率をLTEの約3倍（20bps/Hz）に向上させることができる。

　今後KDDI研究所は、同技術の標準化提案を行い、早期の実用化を目指すとともに更なる精度向上に努めていく方針。