2022年スマートフォングローバル出荷を発表〜2013年以来の最低水準に。Appleは過去最高の営業利益シェア85%で首位を奪還〜
2022年スマートフォングローバル出荷を発表〜2013年以来の最低水準に。Appleは過去最高の営業利益シェア85%で首位を奪還〜【写真詳細】
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2022年第4四半期スマートフォングローバル市場は引き続き下げ圧力を受けた結果、年末商戦で前四半期よりも1%伸びて3.039億台の出荷とはなったものの、前年同期比では18%減と、2013年以来の最低水準を記録したという調査結果を含むMarket Monitorによる最新調査を発表致しました。
2022年の通年での出荷も12億台に減少し、これも2013年以来の最低水準となりました。
図1: 主なスマートフォンOEMメーカー別グローバル出荷・4半期ごと
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMTMxODUjNzc3NDVfT0FqeE9qeldUSC5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Quarterly Market Monitor Prelim data, Q4 2022
※2021年第3四半期以降、OPPOの数字にはOnePlusを含める
スマートフォン市場全体の動向に関して、カウンターポイント社シニアアナリストHarmeet Singh Walia氏は次の通り述べています。
「ウクライナ戦争、インフレ圧力、経済的不透明さ、マクロ経済の逆風といった要因で、2022年の消費者心理は冷えたままとなり、買い替えの頻度が低下した。2022年の第4四半期もスマートフォン市場は、家計支出の増加、労働力不足、消費者の購買力低下といった下げ圧力を受け続け、トップ5社のいずれもが出荷の二桁減に見舞われた。」
その流れを受けて、スマートフォングローバル市場の売上・営業利益もまた減少しましたが、出荷台数ほどの落ち込みにはなりませんでした。その理由は、主要メーカーが高価格帯機種の比率を高めた結果、平均売価(ASP)が5%上昇したことに起因します。売上の減少は9%と、出荷の減少よりは少なかったものの、年間スマートフォン売上は4,090億米ドル(約53兆円)と、2017年以来の最低水準となりました。Appleがトップ5社でただ1社、1%の成長となり、この成長がなければ落ち込みはより激しいものとなっていた可能性もあります。
図2: Appleの通年スマートフォン出荷・レベニューシェア・営業利益シェア(2015年から2022年)
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMTMxODUjNzc3NDVfTnBQd1RBYlFTeS5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Market Monitor Service
Appleの業績に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターJeff Fieldhack氏は次の通り述べています。
「製造の問題を手際よく解決したAppleは、経済と地政学の危機的状況を、他のスマートフォン主要メーカーよりも上手に切り抜けることができた。iPhone Proシリーズは好調が続き、Proシリーズの大部分を製造している鄭州工場にCOVID-19の流行が影響を与えなければ、iPhoneの出荷はさらに多かったはずである。残念ながら、Proの台数の一部分は1月にずれ込んでしまった。」
結果として、同社の出荷台数、売上、営業利益はいずれも2022年第4四半期に減少しましたが、それでも出荷台数、売上、営業利益の全てにおいて同社は他社の苦戦をよそに市場平均を上回り、それぞれ18%、48%、85%と過去最高のシェアを獲得しました。
高価格帯機種セグメントは、この年の経済と地政学の不透明さの影響を、他のセグメントほど酷くは受けなかったため、Appleにとって、同社の主戦場が高価格帯機種セグメントであることも好材料となりました。さらに、使い慣れたスマートフォンユーザーたちが、長く使える高価格帯機種を選ぶようになったことも、追い風となりました。
高価格帯機種指向のトレンドに関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通り補足しています。
「高価格帯機種指向はAndroidのエコシステムでも起こっている。その中心にいるのがSamsungと同社の折りたたみ型スマートフォンである。このため、Appleを別にすれば、トップ5社の中でSamsungだけが出荷が5%、営業利益が1%減少したものの、2022年の売上については1%成長を達成した。同社のフラグシップ機種は、市場予測以上に健闘した。営業利益の落ち込みが市場平均よりも少なかったため、2022年の営業利益シェアは若干上昇して12%となった。」
中国のスマートフォンメーカーは苦戦を強いられた年となりました。国内ではロックダウンが1年のほとんどの期間実施され、世界的な経済と地政学的な困難もあった結果として、Xiaomi、OPPO*、vivoはそれぞれ20%以上出荷を落としました。中国メーカーは、いまだ高価格帯機種へは参入の途上であり、高価格帯機種スマートフォンを高い利益率で投入して売上を上げるといった、Huaweiが撤退した市場の空白に入り込んで利益を得ることができていないため、各社の売上や営業利益が二桁の減少となったことも納得の結果と言えます。
2023年も上半期の市場は下げ圧力が続き、回復はそれ以降になるだろうと私たちは予測しています。
※OPPOの数字には、2021年第3四半期以降OnePlusの数字を含む。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Monitor/3613
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年1月1日~2022年12月31日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
プレスリリース情報提供元:ValuePress!
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