2025年4月2日に発表された米国の相互関税によるスマートフォン市場への影響分析を発表

日時: 2025年04月24日 09:00

発表:Counterpoint Research HK Limited

2025年4月2日に発表された米国の相互関税によるスマートフォン市場への影響分析を発表

2025年4月2日に発表された米国の相互関税によるスマートフォン市場への影響分析を発表【写真詳細】


カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、2025年4月2日に発表された米国の相互関税によるスマートフォン市場への影響を分析したSmartphone OEMs in Crisis Due to US Reciprocal Tariffsによる最新調査を発表致しました。

米国のドナルド・トランプ大統領により多くの国に対する相互関税の税率が4月2日に発表されました。影響を受ける国は57か国で、その中には米国市場でのシェアが大きいスマートフォンメーカーであるApple、Samsung、Motorola、Googleが製造拠点を置く国々も含まれています。

2024年の米国におけるスマートフォン販売シェア


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzNTQ4NjMjNzc3NDVfY1F2Vllia3J0Ti5qcGc.jpg ]
出典:カウンターポイント社 Monthly Market Pulse Report

ベトナムには米国への輸入製品に46%の関税が課せられ、同国でスマートフォンの60%以上を生産しているSamsungがその影響を被ります。他のメーカーは中国での生産に大きく依存しており、その中国に課せられる税率は4月9日時点で既存の20%に相互関税34%を加えた54%です。大手スマートフォンメーカーはこの関税引き上げの影響を免れず、マイナスの影響を減らすべく対応を模索しています。

米国で販売されるスマートフォンのコスト構造は、新しい関税の影響を直接的に受けるものとなっており、結果として、小売価格の上昇と、それによる需要の減少が起きると考えられます。但し、その影響は、どの国で何台くらい生産して米国に輸入しているかによって、メーカーごとに異なります。現時点で、私たちは以下のように分析しています。
 
● Appleはもともと他社より高いマージンを維持してきているので、関税によるコストをある程度吸収する余裕があります。このため、短期的には関税分の小売価格への転嫁を避けることができ、影響は最も小さい見込みです。それでも、インフレと消費者心理の冷え込みによって需要が弱まる懸念があります。

● 中国と比較して、インドの関税は26%と低くなっています。そのインドではAppleは2024年にiPhoneの約20%を生産したと推定されます。インドでさらに増産するかについては、次の要素が絡むと考えられます。
・Apple自身が生産の分散化をどれだけ早く進めたいか
・インド国内のEMSの技術的レベル
・設備投資にどれだけ意欲的か
・政府の支援が受けられるか
・米国との交渉において、インドが自国を望ましい生産拠点と位置付ける手腕を発揮できるか

Appleのインドへの生産割り当てに関して、カウンターポイント社調査担当バイスプレジデントNeil Shah氏は次の通りコメントしています。
・「インドでの生産が一番理に適っている。その次がブラジルだ。だが、どちらにしても生産能力を上げるには時間がかかる。しかし、Appleも他のどのメーカーも、この関税が一か月後、あるいは一年後にどうなっているのか、まったく読めないのは確かだ。」
・「Appleや他社が中国の代わりにインドを検討するにあたって、そこにはまる好条件は色々ある。インド国内EMSの技術レベル、設備投資意欲、政府の支援などだ。だが、トランプ大統領から最恵国待遇にしてもらうディールをインドが勝ち取れなければ、全て意味がない。」
・Samsungは、生産の中国への依存度が最も低めですが、その一方で、これまで関税がかけられていなかったベトナムでの生産を行っているため、今後は極めて高い関税に対処する必要があります。加えて、Samsungの商品は、より価格に敏感な消費者層の割合がAppleよりも多い点があることも懸念材料です。この消費者層は、高価なフラグシップ機種を買う消費者層よりもさっさと買わない選択をしてしまうからです。
・MotorolaとGoogleも、中国とベトナムへの高い関税の影響をまともに受けることになります。低価格機種に重点を置くMotorolaにとって、影響はより大きく出る可能性があると考えられます。
 
この高関税の発表と発動は急でしたが、メーカー各社はトランプ大統領の勝利が確定した11月以降、こうした事態を予期していたと見込まれます。それでも、生産拠点を移すような根本的な解決には多くの投資と時間を要するため、短期的な助けになる可能性は低いと考えられます。さらに長期的な判断も、今後どの国にどれだけ関税がかかるのかを見定める必要があります。


本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/report/smartphone-oems-in-crisis-due-to-us-reciprocal-tariffs

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2024年1月1日~2025年4月9日)

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Research HKはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

プレスリリース情報提供元:ValuePress!

スポンサードリンク

Counterpoint Research HK Limitedの記事

写真プレスリリース

モバイル・アプリの最新プレスリリース

SNSツール

  • hatena
  • facebook
  • twitter
  • google plus
  • rss