2024年第3四半期スマートフォングローバル市場における出荷量を発表〜前年同期比2%成長し、売上とASPは第3四半期として過去最高に〜
2024年第3四半期スマートフォングローバル市場における出荷量を発表〜前年同期比2%成長し、売上とASPは第3四半期として過去最高に〜【写真詳細】
カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、2024年第3四半期スマートフォングローバル市場における出荷量は前年同期比2%成長したという調査結果を含むGlobal Q3 Market Monitor Smartphone Trackerによる最新調査を発表致しました。
2024年第3四半期におけるスマートフォングローバル市場における出荷量は前年同期比2%成長し、4四半期連続でスマートフォングローバル市場は成長しました。このように数四半期に渡って着実な前年同期比成長が続いているのは、主にマクロ経済環境の回復と消費者心理の改善によるものです。
各地域の2024年第3四半期スマートフォン市場の状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストPrachir Singh氏は次の通りコメントしています。
「世界経済の危機は大方過去のものとなり、比較対象となる前年の数字が正常化するにつれ、数字上の回復ペースは落ち着いてきている。中南米、日本、東欧、東南アジアなどの市場では、第3四半期も回復が続いており、前年同期比成長を記録した。その一方で、西欧や中東・アフリカでの出荷は、経済回復がスローダウンしてきたことを受けて、前年同期比で減少した。両地域で続く紛争が、消費者心理に重くのしかかっている。」
世界的な大市場に目を向けると、まず米国では出荷は前年同期比で減少しています。買い替え率が記録的な低迷を続けており、これが市場の足を引っ張っています。インドでは、メーカー各社が年末の祝祭シーズンに向けて若干早めに流通チャンネルに商品を流していることで出荷増となっています。中国でも第3四半期は前年同期比成長を遂げた要因は、経済と消費者心理の改善が続いていることに起因します。また、Huaweiの復活も原動力になっています。
出荷増こそ、ここ数四半期スローペースになっていますが、スマートフォングローバル市場における売上はむしろ成長が加速しており、2024年第3四半期には前年同期比10%の成長を記録しました。これは、第3四半期としては過去最高の数字です。Appleはスマートフォンの売上に関して市場のリーダーであり、売上の43%を占めています。同社は、売上、出荷、ASP(平均売価)において、第3四半期としての過去最高を記録しました。
図1: スマートフォングローバル市場における出荷量と売上の推移・2023年第3四半期から2024年第3四半期
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzNDg0MDIjNzc3NDVfa0x0RGpNcVpIby5wbmc.png ]
※2021年第3四半期よりOPPOにOnePlusを含む
出典: カウンターポイント社Monitor Service Preliminary Data
Appleの業績に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターJeff Fieldhack氏は次の通り述べています。
「iPhone 16シリーズの発売が多少早かったこと、ポートフォリオの中でProバージョンの人気がさらに高くなっていること、主要市場以外の地域への事業拡大が続いていることが相まって第3四半期におけるAppleの成功に繋がった。その上で、なお慎重な見方をせざるを得ない。iPhone 16シリーズの業績は地域によってバラついており、米国などの主要市場では前年のiPhone 15よりも売れ行きが落ちているからだ。それでも、過去3~4年分の膨大なiOS搭載機器のインストールベースがあること、特にApple Intelligenceの提供が広がることを考えれば、しばらくはiPhone 16の販売は堅調だろう。」
Samsungの売上と出荷はともに前年同期比2%減少しました。特にインドと中南米での苦戦が響いています。Xiaomiの売上は出荷以上に伸びており、これはXiaomi 14に代表される高価格帯機種の比率が増えた結果です。これによって、一時的にではありますが、2024年8月に売上で世界第2位になりました。トップ5社の中で、vivoは最も急速に成長しており、中国とインドにおいては第3四半期の出荷数量が最大のメーカーとなりました。
OPPOの出荷と売上は第3四半期に前年同期比で落ちています。それでも中南米と、主要市場以外のアジア太平洋地域での好業績によって、9月は前年比増に戻っています。トップ5社に続く各社は、第3四半期に売上を前年同期比2桁%で大きく伸ばしており、これは出荷の伸びを大きく上回っています。Huawei、Google、MotorolaなどのAndroidスマートフォンのメーカーが特に伸びています。特にMotorolaは四半期の出荷としては過去最高を記録しました。
図2: スマートフォングローバル市場における価格帯別出荷シェア・2023年第3四半期と2024年第3四半期の比較
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzNDg0MDIjNzc3NDVfWGhicUtUeFBGVy5wbmc.png ]
※四捨五入のため合計は100にならない場合がある
出典: カウンターポイント社Monitor Service Preliminary Data
ほぼ全てのメーカーが大きく売上を伸ばす中で、400米ドル以上のセグメントは、2024年第3四半期にシェアを2%ポイント増やしています。高価格帯機種のトレンドは各地域でみられており、メーカー各社は高価格帯機種のポートフォリオや支払いプランを練り直しています。この高価格帯機種のトレンドは、あと数年は続くとみられるため、カウンターポイント社ではスマートフォングローバル市場におけるASP(平均売価)は2023年から2028年にかけて、CAGR 3%で上昇すると予測しています。
短期的なスマートフォングローバル市場の見通しに関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通りコメントしています。
「スマートフォングローバル市場は成熟した。ここ数年は出荷が横ばいだろう。伸びるのは、おそらくインド、中東・アフリカ、東南アジアといった新興国市場だ。一方で、スマートフォンの売上は2028年まで成長が続くだろう。世界中で高価格帯機種のトレンドが続くからだ。GenAI(生成AI)や折りたたみ型スマートフォンなどの新技術も、その普及が進めばASPを上昇させることになる。2028年には、出荷されるスマートフォンの過半数はGenAI対応になるだろう。GenAIのユースケースは広がり、より広い価格帯の機種で利用できるようになっていく。」
※価格はメーカー出荷価格に基づく
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/report/post-report-market-monitor-oem-shipment-by-region-and-countries-q3-2024
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2024年7月1日~2024年9月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Research HKはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
プレスリリース情報提供元:ValuePress!
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