2022年第2四半期のMEA(中東とアフリカ)スマートフォン市場出荷量を発表〜前年同期比7.8%減少〜
2022年第2四半期のMEA(中東とアフリカ)スマートフォン市場出荷量を発表〜前年同期比7.8%減少〜【写真詳細】
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2022年第2四半期のMEA(中東とアフリカ)スマートフォン市場出荷量は前年同期比で7.8%、また前四半期比で10%減少し3,800万台となったという最新のMarket Monitor Serviceによる最新調査を発表致しました。
マクロ経済の逆風が激しさを増し、また地政学的な不安もある中で、消費者心理も、スマートフォン企業の該当地域における事業拡大への意欲も、冷え込んでいます。
MEAにおける四半期ごとのスマートフォン出荷台数(単位・百万台)
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDM1NDkjNzc3NDVfbVd1SmxZSmpSbC5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q2 2022
MEAスマートフォン市場の状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストのYang Wang氏は次の通り述べています。
「市場の足を引っ張っているのはマクロ要因であり、これは驚くに値しない。食料と燃料の不足に起因するインフレで消費者需要が落ち込み、対ドルでの通貨安も消費者の購買力を下げたためである。」
さらに、市場に影響を及ぼした二次的なマクロ要因も存在し、例えば、外貨準備の流出を嫌って、食糧輸出規制や必須ではない商品の輸入規制をかけた政府もあり、その結果による電化製品に対する増税などにより、市場がスムーズに機能するのを妨げられています。
世界的に先行き不安が広がる中、一部のメーカーはこの地域での活動に慎重になっています。様々な困難を抱え、各社は限られた予算と事業活動を効率的に行おうとしており、より戦略的に行動できる市場や地域に活動の重点が移行したことにより、メーカーにとってMEAでブランドを浸透させるインセンティブを減らし、マージンを確保しようとする卸や小売りは値上げを行わざるを得なくなったという状況が生まれています。こうした悪条件の数々によって、多くのメーカーの出荷は減少しました。
MEAスマートフォン出荷シェア 2021年第2四半期と2022年第2四半期の比較
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDM1NDkjNzc3NDVfSnJLVVJxTnJvci5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q2 2022
注: Xiaomiの数字にはPOCOとRedmi、OPPOにはOnePlusを含んでいます。四捨五入計算による表示のため、合計は100%になりません。
市場のリーダーであるSamsungは、ベトナム工場がCOVID-19の影響で操業できませんでしたが、2021年第2四半期の元々の数字が低かったこともあり、前年同期比で成長しています。改良された新型Galaxy Aシリーズは好調で、第2四半期のベストセラー機種のひとつとなりました。Samsungの出荷は、新世代の折り畳み型が発売され年末商戦も行われる下半期には、さらに増えると見込まれます。
Transsion GroupはMEA地域で最大のシェアを維持し、主にInfinixとTECNOの好調な業績によって、Transsion Groupの出荷シェアは前年同期比で成長しました。例えばInfinixのHotシリーズやTECNOのPovaとSparkシリーズのような、スタイリッシュで高機能な新機種が市場で吹く逆風をしのぐ助けになりました。その一方で、インフレ圧力は低価格やエントリー機種には逆に働き、itelの第2四半期のスマートフォン出荷は前年同期比23%減少しました。Itelは、部品価格の高騰、ぱっとしない新機種群、顧客のTECNOやInfinixの上位機種への移行などに事由により厳しい状況となりました。
Appleの出荷も前年同期比2%成長しました。GCC諸国(Gulf Cooperation Council 湾岸協力理事会)での流通が改善し商品が手に入りやすくなったことが功を奏しました。iPhone 13シリーズは発売以来高級機のベストセラーとなった一方、OPPO、realme、vivo、Xiaomiの第2四半期の出荷は前年同期比で大幅減となりました。これらのメーカーは、この地域での基盤を確立するのに苦労しており、卸にとっての低いインセンティブ、商品供給上の問題といった理由により、2022年上半期を通じて、各社を悩ませる結果となりました。加えて、この地域で大きな存在感を示すSamsungやTranssion GroupのTECNOとInfinixとの激しい競争が、各社の市場シェアを奪った形となりました。パキスタンでの現地生産が立ち上がれば、特にOPPO、vivo、Xiaomiにとって、この地域への商品供給は改善する可能性はありますが、2022年中に目に見える効果が出るとは考えにくいと私たちは考えています。
年の後半には、各社の慎重な動きの中にも、楽観できる要素が見受けられます。まず、MEAの多くの国でインフレ率が二桁に達しましたが、これは新たな現象というわけではなく、多くの消費者にとってさほど遠くない過去にも経験したことであり、そのため、新しい経済状況に素早く順応することができるという点があります。また、この地域におけるスマートフォン平均売価(ASP)は引き続き上昇傾向にあり、これは、デジタル化が進んでいることと、顧客がより高機能な端末を求めていることを示唆しています。2021年のMEAで深刻な商品不足を招いた世界規模の半導体不足が緩和されつつあり、経済状況が好転したときに市場は着実に回復すると期待されます。
スマートフォン市場シェアに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Monitor/3223
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年4月1日~2022年6月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
プレスリリース情報提供元:ValuePress!
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