結婚後、いつまで妻/夫に恋愛感情が続いた?いつ冷めた?──ロマンチックラブイデオロギー調査(第4報)

日時: 2025年06月30日 17:00

発表:レゾンデートル株式会社

結婚後、いつまで妻/夫に恋愛感情が続いた?いつ冷めた?──ロマンチックラブイデオロギー調査(第4報)

結婚後、いつまで妻/夫に恋愛感情が続いた?いつ冷めた?──ロマンチックラブイデオロギー調査(第4報)【写真詳細】

結婚後、いつまで妻/夫に恋愛感情が続いた?いつ冷めた?──ロマンチックラブイデオロギー調査(第4報)
結婚後、いつまで妻/夫に恋愛感情が続いた?いつ冷めた?──ロマンチックラブイデオロギー調査(第4報)


ロマンチックラブイデオロギー調査報告の4回目。今回から「恋愛結婚」した既婚者へのアンケート結果を分析します。まず「恋愛結婚した後、一般的にどれくらいの期間、配偶者への恋愛感情が持続するのか」を尋ねた結果の紹介です。ずっとラブラブが理想でしょうが、周囲を見ると実際はそうでもなさそうで、不仲で口論の絶えない夫婦、会話のない仮面夫婦も多いです。果たして、結婚時の恋愛感情はどれほど続くのでしょうか?

<調査の趣旨>
結婚生活に不満をもつ人は多いですが、その原因の1つに「恋愛結婚の矛盾」があるかもしれません。

最愛のパートナーと結婚し、ずっと愛を保ち続けることが理想の結婚だとされてきました。しかし、そうだとすると、恋愛感情が冷めてしまったとき、「この結婚は失敗だった?」「別に理想の相手がいたのでは?」といった気持ちにさいなまれることになるでしょう。家族愛に昇華できればよいでしょうが、それが難しいカップルもあります。また、配偶者への恋愛感情がなくなったとしたら、一生、恋愛感情は封印すべきものでしょうか。

「恋愛して結婚し、ずっとパートナーを愛し続けるべき」という結婚観・夫婦観を、家族社会学の分野では「ロマンチックラブイデオロギー」と呼んでいます。研究によると、恋愛と結婚を結び付ける考え方が生まれたのは19世紀くらい、日本で一般的になったのは1960年代くらいからです。それまでの夫婦は共同生活者という側面が強いものでした。

現在、離婚が当たり前になり、婚姻率も低下しています。また、夫婦関係や家族関係も多様化が進む状況です。日本では夫婦間のセックスレスも深刻で、様々な調査でセックスレス夫婦が5割を超えると推計されています。これまでの結婚のカタチが揺らぎをみせているのです。

そこで、既婚者コミュニティを運営するレゾンデートル株式会社(東京・新宿区、https://raisondetre-inc.co.jp/)では、結婚のカタチ、既婚者の人生の在り方を改めて考えるヒントとして、ロマンチックラブイデオロギーを切り口にした「結婚後の恋愛感情」に関するアンケート調査を実施しました。

第4回のテーマは「夫婦の恋愛感情の持続期間」です。恋愛結婚したのち、妻/夫への恋愛感情はどれほど続くのでしょうか? 

(参考文献)
※1 牛窪恵:『恋愛結婚の終焉』(光文社新書、2023年)
※2 谷本奈穂・渡邉大輔「ロマンティック・ラブ・イデオロギー再考―恋愛研究の視点から」、『理論と方法』31巻1号(数理社会学会、2016年)
※3 大塚明子「近代家族とロマンティック ・ラブ ・イデオロギーの2類型」『文教大学女子短期大学部研究紀要』第45集(2002年)
※4 国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査』(2023年)
※5 レゾンデートル株式会社『夫婦のセックスレスに関する実態調査』(2023年)
※6 木村絵里子「1980 年代の「恋愛至上主義」」、高橋幸・永田夏来編『恋愛社会学: 多様化する親密な関係に接近する』(ナカニシヤ書店、2024年)

<調査概要>
・調査タイトル:ロマンチックラブイデオロギー調査 第4報
・調査期間:2024年12月19日~30日、2025年3月21日~4月10日
・調査対象者:20~59歳の既婚男女559人(男性279人、女性280人)
       うち恋愛結婚で結婚した既婚男女479人(男性241人、女性238人)
       20~59歳の独身男女290人(男性141人、女性149人)
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/
・調査報告の掲載:既婚者の男女関係に関する調査 ※ご検索ください
・本報告の発表日:2025年5月30日

<調査対象者について>
下表の通り男女、各年代とも均等なサンプルになっています。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MzE4NyMzNTgyOTAjMzU4MjkwX2ExYzk3NDVkNDNhZmU1ZWU0YzhjYTNjYjgwMTFkOGVlLnBuZw.png ]

回答者は全都道府県におおむね人口と相関する形で分布しており地域的な偏りはありません。


1) 恋愛結婚したあと、妻/夫への恋愛感情はどのくらい続く?

「恋愛感情と結婚に関する調査(ロマンチックラブイデオロギー調査 第1報)」(レゾンデートル調べ)では、独身・既婚を合わせた67%の人が「結婚するなら恋愛結婚が良い」と回答しました。今も大半の人が「恋愛結婚が理想」と考えている様子ですが、恋愛結婚した人はその後、妻/夫にどれくらいの期間、恋愛感情が続くのでしょうか? 恋愛感情はいつなくなるのでしょうか?

アンケート結果は、意外なものでした。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4MzE4NyMzNTgyOTAjODMxODdfWVhsdGl2VUdvWC5qcGc.jpg ]
なんと、4割以上の回答者が「今も恋愛感情がある」と答えたのです。20~59歳を対象とした調査であり、最後の「回答者の属性」に示すとおり、結婚10年以上の回答者が半数を占めるのですが、それでも4割以上の人がパートナーへの恋愛感情を持っているのは驚きでした。

グラフをよく見ると、女性の方が早く恋愛感情が冷めやすい傾向にあるようです。女性は35.3%が3年以内に「夫への恋愛感情が冷めている」のに対し、男性で3年以内に冷めたと回答しているのは24.9%で、約10ポイントの開きがあります。

これは、「妻を好き」と思っている男性の何割かは「妻からもう好かれていない」ことを示す結果です。過去3回のレゾンデートル社によるロマンチックラブイデオロギー調査でも判明したとおり、男性の方がロマンチスト(鈍感)であると言えるでしょう。

続いて、年齢層別による違いを見ていきます。


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年齢層別にみると、まず顕著なのが「夫に恋愛感情がある」と回答する20代女性の多さです。実に6割近くに達しており、年代別で唯一、女性が男性を上回っています。しかも10ポイントという大差です。その後、30代になると「夫に恋愛感情がある」と回答する女性の大きく下がって男性と逆転し、50代までずっと男性より低い割合を保ちます。

この結果は、結婚後しばらくは女性の方がパートナーに強く恋愛感情を維持し続けていること、そして、20代から30代の間に「夫に幻滅する女性が多い」ことを示すのかもしれません。ちょうど、出産や育児に差しかかる頃に重なります。

一方、男性の方は「妻に恋愛感情がある」と回答する割合は4~5割で一定しており、女性のような大きな変動はみられません。男性の妻に対する気持ちは年代による変化が乏しい、つまり結婚年数を経てもあまり変わらないと言えそうです。

加えて、30代では男女とも「パートナーに恋愛感情がある」と回答する割合が低くなっていますが、育児の負担が大きくなってくる年代であること、夫婦関係の破綻が現れる時期と重なることが理由と考えられます。40代で「パートナーに恋愛感情がある」と回答する割合が回復するのは、この間に離婚する夫婦があるからかもしれません。

なお、50代は男性の5割が「妻に恋愛感情がある」のに対し、女性は3割にとどまります。夫婦間の気持ちのすれ違いを示し、これが熟年離婚の遠因になっていると考察できます。


2) 独身者は「結婚後も恋愛感情を持ち続けられる」と考えている?

続いて、「恋愛感情と結婚に関する調査(ロマンチックラブイデオロギー調査 第1報)」(レゾンデートル調べ)の回答者から抽出した独身者に、「結婚後もパートナーに恋愛感情を持ち続けられると思うか?」と尋ねた結果を紹介します。実に独身者の75%が「持ち続けられる」「たぶん持ち続けられるし、そうなるよう努力したい」と回答しています。


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しかし最初のアンケート結果で紹介したとおり、恋愛結婚した既婚者に聞くと「今も恋愛感情がある」との回答は4割にとどまるため、3割以上の人が「結婚前は恋愛感情を持ち続けられると考えたが、そうならなかった」結果になることが示唆されます。

男女別にみると、次の結果になり男性の方が「恋愛感情を持ち続けられる」と考えていることが分かります。やはり、男性ロマンチスト説を補強する結果です。


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男性は80.2%が「持ち続けられる」「たぶん持ち続けられるし、そうなるよう努力したい」と回答していますが、女性の同回答は71.1%にとどまり、10ポイントもの開きがあります。女性の方が現実的といえるでしょう。


3) 子どもの有無、世帯年収は夫婦間の恋愛感情に影響するか?

◎子どもの有無と夫婦間の恋愛感情
 恋愛結婚したのち、パートナーに恋愛感情を持ち続けている夫婦は4割強ということが分かりました。続いて気になるのは、属性による違いがあるかどうかです。30代でパートナーへの恋愛感情が醒める傾向があらわれていますから、子どもの有無が影響するかもしれません。

尋ねたところ、次の結果になりました。


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顕著な差が出ました。子どもありの回答者は37.5%しか「今も恋愛感情がある」と回答していないのに対し、子どもなしの回答者は55.8%も「今も恋愛感情がある」と回答しています。20ポイントも違うのです。

夫婦が恋愛感情を失う大きな要因は、出産・育児にあると言えそうです。そもそも恋愛と育児は、相反しやすいものなのかもしれません。ロマンチックラブイデオロギーの矛盾や結婚のカタチを考えるうえで重要な資料といえるでしょう。

夫婦間の愛情を維持したいなら、子どもを産まないという選択肢が合理性をもつことになり、少子化に歯止めとかけるためには制度や規範に関する社会的なイノベーションが必要かもしれません。

◎世帯年収と夫婦間の恋愛感情
 続いて、世帯年収による違いを見ていきましょう。果たして、愛の持続にお金は必要なのか。


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すると、意外なことに世帯年収1200万円未満までは夫婦間の恋愛感情にほとんど違いがありませんでした。世帯年収500万円の人も、800万円~1200万円未満の人も、「今でもパートナーに恋愛感情がある」と回答した割合は約4割で変わりません。有意に変化があるのは世帯年収1200万円以上で、5割の人が「恋愛感情がある」と回答しています。この結果から世帯年収が1200万円以上になると、夫婦の愛が強まる傾向にあるといえるかもしれません。

なお、世帯年収1500万円以上になると、約6割が「今でもパートナーに恋愛感情がある」と回答しており、その後は世帯年収がいくら高くなっても6割前後で固定しています。つまり、1~2割の人はお金でパートナーの愛情が変化しているかもしれないと推察できます。


4) 回答者の属性

今回のアンケート調査は、「恋愛感情と結婚に関する調査(ロマンチックラブイデオロギー調査 第1報)」(レゾンデートル調べ)の回答者から男女比や年代が均等になるように抽出した既婚者と独身者を対象に行いました。パートナーへの恋愛感情の持続期間を尋ねる調査は、抽出した既婚者のうち「恋愛結婚だった」と回答した人に行いました。以下、回答者の属性に関するグラフを示します。


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5) 今回のまとめと今後の展開

 今回の調査で恋愛結婚をしたカップルが、その後どのくらい配偶者に恋愛感情を持ち続けることができるかが分かりました。約4割が「今も恋愛感情がある」と回答しましたが、この結果を皆さんはどのようにとらえるでしょうか?また、男性の約25%、女性の35%が「恋愛感情が続いたのは3年未満」と回答していますが、この評価も様々だと考えます。次の調査では、「パートナーへの恋愛感情がなくなった理由」を尋ねますので、どうぞご期待ください。

今回の調査を企画した理由として、現代の結婚制度は時代に合わなくなってきているのではないか? 矛盾が表面化しているのではないか?との仮説があります。もともと恋愛と結婚を結び付ける考え方は19世紀に生まれたものでした。そもそも不自然なのかもしれませんし、人によって合う・合わないがあるのではないでしょうか。

結婚は、家族をつくる行為です。家族には、男女関係以外にも、生活や生計、子育て、介護などの様々な機能があり、恋愛感情がなくなったからといって簡単に解消できません。もともと別モノだった恋愛と結婚の結合によって生じる矛盾を、令和の人々はどのようにとらえて行動しているか、興味深いところです。

◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発企業です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。

◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。

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レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F
問い合わせアドレス : urano@raisondetre-inc.co.jp
担当:浦野圭介

プレスリリース情報提供元:ValuePress!

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